金子みすゞの動揺集『わたしと小鳥とすずと』より‐
わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面をはやく走れない。
わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんのうたは知らないよ。
すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。
『こだまでしょうか』
「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
「ばか」っていうと、
「ばか」っていう。
「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。
そうして、あとで
さみしくなって、
「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、
いいえ、だれでも。
この作品は一世紀も前に作られているのですよね。
私は小学校の時に金子みすゞの詩集3冊両親に買ってもらい、
もう何十年も大切にしている詩集です。
今読み返してみても、今の時代にもとても響きます。
みんなと同じを求められることが多い社会ですが、
誰一人同じ人間なんていないし、みんながみんな尊い存在。
みんなちがって、みんながみんなそれぞれにいい。
そして喜びも、悲しみも、みんな同じなんだよと2つの詩がささやきます。
みんなと同じことができるのも素晴らしい。
みんなと同じことが出来なくても素晴らしい。
どちらも同じに素晴らしいこと。
生きているだけで素晴らしいこと。
『みんなちがって、みんないい』
この思想がもっと世界に広がるといいなぁと個人的に思います☆彡