週末から寺地はるなさんの『水を縫う』を読んでいました(*'▽')
寺地はるなさんは、今までに『わたしの良い子』、『彼女が天使でなくなる日』
『月のぶどう』、『ビオレタ』、『ミナトホテルの裏庭には』を読みました。
いつも社会問題というと大げさかもしれませんが、
身近に転がる小さな問題も取り上げ、スパンと正論で返してくれる登場人物が、
読んでいてとても気持ちがいいです!
新しい価値観を与えてくれる作品ばかりです。
『水を縫う』は、手芸や刺繍が大好きな男子高校生と、可愛いもの、女の子らしいものに抵抗を感じている姉。
その兄弟の母親は『別に偉くならなくてもいいから、普通に大学へ行って、普通に就職をして、普通の幸せな人生を歩んで欲しい。』と願っているシングルマザーで女手一つで、兄弟育ててきた母。
母親は手作り=愛情の大きさという考え方にコンプレックスを抱えている。
兄弟の父親は、デザイナーを目指していたが、その夢は叶わなかったが、
服を作るのが好きで、縫製工場で現在働いている。お金の管理ができず、どこか頼りない父。
姉の結婚に伴い、華やかなもの、可愛らしいものが苦手な姉は、
キラキラとした結婚式や、ドレスが苦手で、本当は式はしたくなかったが、
義理の両親の意向もあって、式を挙げることに。
でも、着たいと思えるドレスが見つからない。
そんなとき弟がウェディングドレスを僕が作りたいと言い出し、作り始めたものの、
姉は露出したものや、リボンなどの装飾も嫌だと言い、デザイン画が完成しない。
弟は離婚した父に連絡をして、ドレスづくりの相談をし、ガーゼ素材で、着心地がよく、
装飾のないシンプルなドレスを作りあげる。
そこに弟は白い糸と銀色の糸で刺繍をすることに。
しかし図案が浮かばず、お花もレースも、リボンも姉のイメージに合わない。
そして姉の水青(みお)という名前の由来を父に聞き、
水の流れるような刺繍をドレスに施すというお話。
男らしさ、女らしさ、いい母親、いい父親、普通、それらが揃わない家族。
そういうものに縛られたり、逆に抵抗したりしないで、
ただただ自分らしさ、好きなもの、心地のいいものを各々が選び、
各々を尊重できることが、普通に意識しないでいい世の中になったらいいなと思った。
発達障害者は、自分の脳の特性や、感覚から、
どうしても選びたくても選べないものがあるように思う。
普通になりたくても、なれないような。なりたいと思っていないこともあったり、、、
いつも世間の軌道が外れすぎないように頑張るけど、体が付いてこなかったり。
もしかしたら、そうした世間にある固定概念、当たり前、普通を壊してくれる存在なのかもしれません。
学校の集団行動、自分で考えて行動する力、好きなことを伸ばすこと、
これからはもっと個々の時代なのかもしれません。
個々の時代を楽しく生きていくには?とふと考えた時に、
一人の人間が一生に出来ることは限られている。
だからこそ、得意、好きなことを伸ばして、夢中になって取り組むこと、
突き詰める力は、個々をより一層輝かせるし、強固なものにするのでは?と思いました。
これからの未来は、私が歩んできた過去とは違うかもしれないと希望が持てました。(なんの根拠もありませんが、なんとなく😅)