初読みの作家さん。
本が好きで、隠れ家を書斎のために持っていた医者の父と、学問でも、仕事でも、
父は偉大すぎて、越えられない壁に悩み、反骨心から、本を読まなかった息子が、
父の死をきっかけに変化していく話。
父は息子に病に侵されていること、死が近いことも一切言わず、
最期のメッセージを書斎にすべて遺していった。
父の死後、遺言があり、書斎は興味がなければそのまま処分してくれと。
ただその書斎の鍵は、しかるべきべき人に預けてあるとだけ書かれていた。
息子は書斎の鍵を探すことからはじめる。
書斎の鍵のてがかりをつかむため、父と過去関係した人に、運命のいたずらか、
導かれるように出会い、やがて父の想い、父の大きな愛に気づかされる物語。
ようは読書のすすめなのですが、
私も遅ればせながら大人になって読書することが習慣になりました。
中高生に特に読んでもらいたい一冊です!
大人になってから本を読んでも遅くはないけれど、でも、あの多感な中高生のときに、
文豪の本を読んでいたら、どんな大人になっていたんだろうと思うことがたくさんあります。受け取る衝撃の大きさは計り知れなかったかもしれないと。
人生は選択の連続です。良い選択をするも、悪い選択をするも自分次第。
本はたくさんの人の深い思考に触れ、深く対話し、ものの価値観・考え方を教えてくれる。人生で良い選択をするためには、たくさんの人の思考に触れることで、
あらゆる選択肢が、無限に広がる。
そして、人はお金やモノや、地位や名誉を後世に財産としてのこすことだけでなく、
その人の生き様、ポリシー、家訓のように、目に見えない大事な財産をのこすことができるんだなと思いました。
”人生を決めるのは「才能」ではなく習慣。”
読書の習慣がある人とない人とでは、人生において感じ取る幸せに大きな開きがあると同時に、周りの人を幸せにする能力も、受け取る報酬も大きく異なる。
いかに良い習慣(心、行動)を持つかの大切さを教えてくれる。
そしてとても印象的だった言葉は、
”君が自分の責任で幸せになることでしか、救えない人生もあるということ”
これに、なかなか気づけないんですよね。
幸せになることを恐れて、尻込みしてしまったり。
本来の自分と向き合うのが怖くて、逃げてしまったり。
自分の人生を生きる責任に背を向けてしまったり。
自分が幸せであることで、幸せになってくれる人がいることを忘れてはいけないんです。(きっと身近な人)
人生どう頑張ったって、一人、一人分の人生しか生きられないんです。
本はそうした一人分の人生が一冊に込められている。
10冊読めば、10人分の人生。
100冊読めば、100人分の人生。
私の心を豊に、深めてくれる。
本はひとり、ひとりが良き人生をおくるためのエールなのかもしれない。