鎌倉を舞台に、時間が少しずつ遡っていく。
人生に悩んだ人、立ちどまった人、行き止まり、四面楚歌、
人生の窮地に立たされた時に、迷い込む案内所。
大切な人とはぐれた人、自分の人生にはぐれた人、人の想いにはぐれた人、
あらゆるものとはぐれてしまった人が、迷い混む、案内所。
髪の毛が内巻きの内巻さんと、髪の毛が外巻きの外巻さんと、
生きたアンモナイトの所長が、迷い込んだ人々を救っていくお話。
6つの物語で構成されているが、すべての物語が繋がっていく。
うずまきを良く見ていると、どちらが上で下か、
どこが入口で、出口だったのか、わからなくなる。
長い螺旋階段も、ふと今自分は上っているのか、
それとも降りているのかわからなくなってくる。
正しいと思って選んできた道なのに、急に歩くのが苦しくなることもある。
案内所に奇跡的にたどり着いた人は、しだいに自分の中の正しい答えにたどり着き、
自分自身を取り戻していくストーリーです。
渦巻って不思議なもので、読んだ後、途中に戻ったり、
また最初から読み返したりしたくなるお話でした。
6つのお話の中にちりばめられた人生の教訓のような、名言がたくさん飛び出し、
特にその中でも好きな言葉は”生きるために生きている。”
何のために生きているんだろう?
何のために生まれてきたんだろう?
の答えは、こんなにもシンプルだったのかと、清々しい読了感でした。
優しくて、押しつけがましくなく、背中をそっと押してくれる一冊です!
読書は、自分以外の新しい視点、考え方、人生を与えてくれる時間です(*^^)v
作:青山美智子 出版社:宝島社