本が売れない時代と言われる昨今。
私の近所の本屋さんも軒並み廃業していき、ぷらりと歩いて立ち寄れる本屋さんが
すっかりなくなってしまいました。
デジタルで書籍を読める便利な世の中になったけど、ページをめくる喜びや、
紙の質感、本の重量感も含めて、私はまだまだ紙媒体が好きです。
北海道のいわた書店さんの一万円選書は、プロフェッショナル仕事の流儀にも
取り上げられました。
一万円選書に応募すると、当選した人にだけ選書カルテが送られてきて、
選書カルテを書いて提出し、選書カルテを元に
店主がその人に合った、大切な本を10冊程(一万円分)選んで送ってくれるという
サービスです。
この選書カルテがすごく魅力的で、質問のひとつひとつが、
ひとりの人間を深く知ろうと、向き合ってくれているような安心感と、
長く対話をしているような幸福感があります。
*あなたの読書歴ベスト20冊を教えてください。
*これまでの人生でうれしかったこと、苦しかったことを書いてください。
*何歳のときの自分が好きですか?
*上手に歳をとることは出来ると思いますか?また10年後どんな大人になっていますか?
*これだけはしないと心に決めていることはありますか?
*いちばんしたいことは何ですか?
*あなたにとって幸福とは何ですか?
この数々の質問に向き合う時間から、もう選書は始まっていて、
心のヒーリング、カウンセリングを受けているような感覚なのでしょうか。
選書を通して自分の人生とゆっくり向き合う時間、立ち止まる時間は、
きっと、かけがえのない時間になるでしょう。
AIの機械で、おすすめの商品を勧めてくれたり便利な機能があるものの、
やはり岩田さんが選ぶ本だから読みたいというファンも多いはず。
これはAI時代の、AIにはできない唯一無二の仕事だと思います。
何でも出来るようになることではなく、自分にしか出来ないたった一つの役割に
出会うこと、そして自分を信じて、貫くことの大切さを教わりました。
あなたの代わりはいくらでもいるではなく、あなたにしか出来ないことがありますよ。
と、そっと励ましてもらえるような、寄り添ってもらえるような一冊です。
《著/岩田徹 出版社/ポプラ新書》
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一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語 (ポプラ新書)