月子と海くん★発達障害を生きる★

発達障害グレーゾーン親子から、子どもが自閉症スペクトラム障害の診断を受けました。小学1年生の秋から不登校になり、ホームスクールで学んでいます。日々の暮らし・生き方を綴ります。

読書の時間♪

 

著者は中学生の時に、父親を病気で亡くし、その後母は病に倒れ、

 

一命をとりとめ車いす生活になり、弟は知的障害とダウン症を抱えていて、

 

自分以外の家族みんなが障がい者になり、大学で出会った仲間と一緒に、

 

福祉の会社を起業し、その後フリーランスの作家へと転身する。

 

文字に書き起こしてみると、その半生は壮絶で、

 

人の何倍も生きてきたのではないかと思うほど、

 

人生に一度としてないことが、何度も著者の身にふりかかる。

 

著者はそれをものともせず、サラサラと、カラカラッと面白く、楽しく

 

家族の日常を描くエッセイ。

 

いつも何か悪いことが起きると、その理由を外に探してしまいがちだけど、

 

自分の周りで起きることは関係なく、

 

良いことも、悪いことも、何が起きたかが重要なことではなく、

 

常に自分はどうありたいか、どうしたいのか、どう生きていきたいのかが、

 

大切なのであって、それ以外のことは窓の外の景色のような、

 

めぐる季節のようなものなのだと気づかされる。

 

一度も涙する時間もなく、ずっとクスクス笑いっぱなしの時間でした。

 

こんなに明るくて、軽やかな気持ちで、安心に包まれて読めるのは、

 

作者の人柄と、言葉力なのだと思います。

 

このエッセイを描き上げるのに、どれだけの涙をのんできたのでしょう。

 

原稿に向かうのに、どれだけの時間がかかったのでしょうか。

 

”家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった”

 

なんて愛にあふれた家族へのラブレター

 

この言葉を見るだけで、他人の私まで幸せになれます。元気になれます。

 

素敵な本との出会いで、今年を締めくくることができました♪

 

著者/岸田奈美

1991年生まれ。兵庫県神戸出身、関西大学人間福祉学部社会起業学科卒業。

「バリアをバリューにする。」株式会社ミライロで広報部長をつとめたのち、作家として独立。100文字で済むことを2000文字で伝える作家。一生に一度しか起こらないような出来事が、なぜだか何度も起きてしまう。

※エッセイより引用

著者/岸田奈美 出版社/小学館

 

 

 


家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった