月子と海くん★発達障害を生きる★

発達障害グレーゾーン親子から、子どもが自閉症スペクトラム障害の診断を受けました。小学1年生の秋から不登校になり、ホームスクールで学んでいます。日々の暮らし・生き方を綴ります。

読書の時間♪

 

もうタイトルが怖くて、なかなか手を伸ばせないで、

 

のらりくらりと、町田そのこの他作品を読みながら、

 

ようやく決心がついて読み始めることとなった今回(*^-^*)

 

ニュータウンのうつくしが丘にある白い三階建ての一軒家が舞台。

 

その家に住む住人がコロコロと変わり、売りに出される。

 

近所では住む人がみんな不幸になるという噂まで。

 

5つの短編集から構成されていて、この白い家に住む住人の人生がそれぞれに

 

描かれている。最後のページに出てくる住人が、この家の始まりである

 

ストーリー構成も面白かった。

 

結論から言えば、

 

”自分が不幸かどうかは、他人が決めることではない”

 

この大きなテーマが物語に軸となっている。

 

確かに白い家に移り住む人々は、それなりに事情を抱えていたりしているが、

 

それはありふれたどこにでもあるお話。

 

5つのお話のどれにも、自分がいたように思う。

 

幸せか、不幸かは、個人よってものさしがちがうし、他人が測れるものではない。

 

そして他人に最初から任せるものでもないのだ。

 

他人の芝は、いつでも青く見えるもの。

 

比べようもないことを、並べては、比べて、

 

勝手に期待しては、勝手に裏切られて、勝手に傷ついて、

 

私たちはいそがしい生き物だ。

 

この作品は読み進めるほど、不幸どころか幸福になっていく。

 

タイトルのまんま騙されて、なかなか手に取れずにいた時間がもどかしい。

 

残り物には福がある。

 

ずっと読まずに寝かせて置いた、作品はとても甘美な時間をくれました☆

 

著者/ 町田そのこ 出版社/ 東京創元社

 

 


うつくしが丘の不幸の家