一万円選書のいわた社長おすすめ本の中の一冊で、気になったこちら。
『田村はまだか』というインパクトある表紙。
40歳を迎える小学生の同級生が同窓会で集まり、三次会で入ったバーでの会話と
小学校の頃の思い出、大人になってからの色々のお話。
田村だけが、天候不順の影響で到着が遅れ、三次会をしながら田村が到着するのを待つ
同級生たち。
読んでいて『桐島部活やめるってよ』思い出した。
桐島という話の主人公が最後まで登場しないで終わるという衝撃の結末。
こちらもなかなか田村が現れない。読みながら期待はどんどん膨らんでいく。
田村を待ちながら、それぞれのいろんな過去の恋愛だったり、
大人になってからの不倫だったり、仕事だったり、
40年も生きていると色んな事が起きるよねと、甘いだけではない人生。
時にはピリッと来る局面もありながら、ちょいちょいと挟まれる
調子はずれな『田村はまだか』という掛け声で、作品の世界観がその都度切り替わる。
それぞれの現在に至るまでの道のりが、田村を待ちながら、田村を中心に、
進行していく物語。当の本人はというと、ちゃんと最後に登場する。
待たせて、待たせて、ようやく登場するとだけ記しときます笑
田村が同級生に6年生の時に言った”「どうせ死ぬから、今、生きてるんじゃないのか」”
という言葉は、生き急ぐ現代人にピッタリのメッセージです。
どうせうんちになるからってご飯を食べないわけじゃないし、
どうせやぶれるからって服を着ないわけじゃない。
人類の死亡率100%の中、生まれて、生きている私たち。
死は遅かれ早かれ誰にでも、等しく訪れるのだから、
それまでの時間をゆっくり寄り道しながら、一緒に楽しみましょうよと、
そっと肩の力を抜いてくれるような一冊です。
作/朝倉かすみ 出版社/光文社
今週もお疲れさまでした(*^-^*)
雨と台風が心配な三連休ですが、大きな被害がありませんように☆彡
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