今回初読みの作家さんで、有名な『コンビニ人間』もすっとばして、
こちらを読み始めました(*´▽`*)(次に借りてこよう!!)
小学四年生から中学三年生までの思春期真っ只中にいる女の子と男の子のお話。
季節がかわるごとに、たくさんの人が移り住んでいくニュータウンに2人は住み、
クラスの立場、性格も正反対の2人が出会う。
クラスカースト、いじめ、友情、恋愛、をとおして、思春期の心のゆらぎ、成長を
せきららに描いている。
それなりに楽しかったような気がする昔の記憶、
でも隅々までは開けたくないパンドラの箱をこじ開けられるような感覚。
見たくない、戻りたくない、話したくない、触れられたくない、くずぐったい部分を
えぐられるような、思わず目をつぶってしまいたくなる。
そんな心とは反比例して、ぺージをめくる手が止まらない。
途中で読むのをやめるのが難しい本に久しぶりに出会いました!
あの頃の気持ち、ふくれあがっていく得たいの知れないものに、
コントロールを奪われながら、なんとか日々をやり過ごしていた難しい時期。
なんであんなに難しかったんだろぉ?
学校という小さな世界を、世界のすべてのように思っていた閉塞感。
あの頃も言葉にできなかったし、今はもう忘れかけていた古い記憶が、
鮮明に輪郭が浮き彫りになっていく。
こんなに瑞々しく、せきららに言葉に落とし込めるなんてと思わず感動してしまう。
でも、この本はおそらく思春期の時期の私には読めなかったと思う。
大人になった今だから、読めたんだと。
他の作品も読んでみたい(*^-^*)♪
❒しろいろの街の、その骨の体温の
1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部卒業。2003年に『授乳』で第46回群像新人文学賞優秀賞受賞。09年『ギンイロノタ』で第31回野間文芸新人賞受賞。本書は書き下ろし。
❒朝日新聞出版