20代からの若者の青春を描いたお話。
大学4年の春に早々と大手企業の就職内定をもらい、いわゆる勝ち組に属していた
時間もあって、エネルギーもあって、何者にも成れるような、
自分は特別なんだ、他の大人とは違う人生を歩むんだと期待に胸を膨らませ、
入社した会社で、希望とはかけはなれた職場への配属を機に、
『こんなはずじゃなかった人生』が始まる。
思い描いていた未来と、現実のギャップにさいなまれながらも、
まだ何者にもなれない自分と、これから何者にでもなれる自分の中で、
葛藤しながら、生きている若者のリアルが描かれている。
高校を卒業して就職した友達と、大学へ進学して就職した友達では、
高校卒業時に意識の違いを感じた。
大学生はお金はないけど、時間や心にゆとりがあり、両親に守られ
良いも悪いも、人生の夏休みのような時間だったように思う。
バイト、学校、ゼミ、サークル、それなりに忙しい毎日を送りながらも、
何の責任も持っていない、まだ将来どんな人間になるのかあいまいな、
可能性と希望に満ち溢れている時期。
高校を卒業して就職した組は、現実の世界をひとあし先に知り、
これからの未来を生きていく責任と覚悟を持っていて、
隣で急に大人になっていく同級生たち。大学を卒業するころには、
結婚をして、子供を育て、家を建て、若いのにたくさんのものをすでに背負い
生きていく者もいて、数年前まで同じ教室で過ごしたことが遠い昔のよう。
学生から社会人へ、みんなが大人になるまでに通る道のりが丁寧に描かれている本作。
長い人生で一番時間を費やすであろう仕事。
どうせなら、好きなことを仕事にして、1日8時間、365日×人生で、
有意義なものになるのではないかと考えたことが誰しもあるだろう。
大人になるってどういうことだろう?
今の私は何者なのだろうか?
友だちと恋人と語り合った日々が思い出されて懐かしい。
ちょっとこの20代のセンチメンタルな時期をすぎた大人に刺さる一冊です(*^-^*)
今週もお疲れさまでした♪
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