春に廃校予定の女子大学で、卒業資格がもらえなかった問題を抱えた女子大学生たちが、
特別合宿をして、卒業とそれぞれの未来をめざしていくお話。
みんな色々な事情を抱えて生きている生徒たち。
コミュニケーション障害の生徒や、トランスジェンダーでありながら女子大で、
自分の性を偽って苦しい思いをしている生徒、睡眠障害を抱え、朝起きられない生徒、
家庭での愛情が満たされず摂食障害を繰り返す生徒、リストカットを続ける生徒、
エナジードリンクの過剰摂取と、現代社会が抱える問題の縮図のような物語り。
大学の理事長がなぜ、この特別合宿という場で、生徒たちに最後の授業を施したのか、
その理由が最後の章2ページでわかる。
理事長夫婦のおせっかいのような、深い愛情の理由を知ったとき、
涙が止まらない。
ひまわりの花言葉は『あなたは素晴らしい』。
何かダメになってしまったときには、
そこから自分の足で逃げる力を育てなさいという言葉がいつまでも胸に響く。
自分を損なう場所、大切に出来ない場所、そこはあなたの場所ではないから、
時には逃げてもいいんだよ。
そんな視点を持っていると、自分にも、他人にも優しい気持ちになれるような気がします。
私たちは生きるために、生きているんだというシンプルなメッセージが、
込められているように思います。
あなたの物語は、あなたのもの。自分の人生は、自分が主役。
自分の与えられた役割を生きること、ありのままのあなたで素晴らしい存在なのだと、
優しさに包まれる一冊です。
今週もお疲れさまでした♪
いつもブログへのご訪問ありがとうございます(*^-^*)
作者/加納朋子 出版社/新潮社